私たちが日常使っている「時間」は太陽の動きから決められているので、地面に垂直に立てられた棒の影の位置から今の時刻を知ることができます。そこで、板に垂直に棒を立てその板を日当たりのよいところに水平に置いて、太陽による棒の先端の影を朝から夕方にかけて板に記録していくと曲線ができて、この曲線を「日影曲線」といいます。この曲線上の7時,8時・・・・の正時刻の点を記録しておくと日時計ができます。
太陽の1日の動きは中学3年理科の地学分野で勉強します。それによると太陽の動きは年間を通じて一定ではなく、春(春分の日)には真東から出て真西に沈みます。その日から少しずつ北に移動して夏至の日には東から約29度北に寄ったところから出て、真西から約29度北に寄ったところに沈みます。夏至を過ぎると南に移動を始め秋(秋分の日)には真東から出て真西に沈みます。秋分の日のあとさらに南に移動して冬至の日には東から約29度南に寄ったところから出て、沈む位置は真西から約29度南に寄ったところになります。冬至を過ぎると北に移動を始め春(春分の日)に戻ります。1年の周期で変化するわけです。この変化は地球の自転軸が公転面に垂直な方向から23.4°傾いていることによって生じており、日本(地球の中緯度地域)に四季をもたらしています。さらに観測する緯度によっても太陽の位置(高度)が変わるので「日影曲線」は日時と場所によって変わります。
ここで、場所は豊中(北緯35°)として春分・夏至・秋分・冬至それぞれの日の日影曲線を紹介しましょう。ただし、この曲線は実際に測定して得たものではなく、私がエクセルを利用して計算によってシミュレートしたものです。
次回はこの曲線を利用して日時計を作製したいと思います。